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- 世界遺産「韓国の書院」
- UNESCO World Heritage List: Logo and Meaning
世界遺産「韓国の書院」
ユネスコ世界遺産委員会は、「韓国の書院」について、「韓国の性理学に関連した文化的伝統の証拠であり、性理学の概念が韓国の状況に合わせて変化してきた歴史的過程を示していることから‘顕著な普遍的価値’が認められる」と評価しました。
2019年7月6日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催された第43回世界遺産委員会にて、「韓国の書院」9カ所がユネスコ世界遺産に登録されました。人類が大切に守るべき遺産であることを認められたのです。紹修(ソス)書院(慶尚北道(キョンサンブクト)栄州(ヨンジュ)市)、藍溪(ナムゲ)書院(慶尚南道(キョンサンナムド)咸陽(ハミャン)郡)、玉山(オクサン)書院(慶尚北道慶州(キョンジュ)市)、陶山(トサン)書院(慶尚北道安東(アンドン)市)、筆岩(ピラム)書院(全羅南道(チョンラナムド)長城(チャンソン)郡)、道東(トドン)書院(達成(タルソン)郡)、屏山(ピョンサン)書院(慶尚北道安東市)、武城(ムソン)書院(全羅北道(チョンラブクド)井邑(チョンウプ)市)、遯岩(トナム)書院(忠清南道(チュンチョンナムド)論山(ノンサン)市)、これら9つの書院からなる遺産は、竹を割ったようにまっすぐで凛としたソンビの精神文化を広め、今もその姿を保っています。
韓国の書院は中国の書院をモデルとしていましたが、その性格は大きく異なっています。設立当初は私立学校だった中国の書院がやがて「官学」になったのに対し、韓国の書院は最初から最後まで「私立」でした。また、中国の書院が官僚の養成に励んだのに対し、韓国の書院は先賢の精神と意志を称え、学問を学び、人格を磨くことに重きを置いていました。
韓国の書院は、他の国ではあまりみられない「祭享(祭祀)」の伝統を引き継いでいます。書院の祭享は、亡くなった師匠や偉大な人物を追悼する儀式です。この儀式を通じて弟子や子孫は、先達の学問と精神を受け継いでいくことを誓いました。
書院に残っている古書籍や古文書、木版などからは当時の知的活動がうかがえます。また、祭享物品や記録文書からは昔の生活文化を感じ取ることができます。特に、本を出すことも、手に入れることも難しかった時代において、書院は、今の図書館や文化センターのような役割を果たしていました。
韓国の書院には、知性と成熟した精神文化が根づいています。ソンビ(学者)たちは、自然を通じて思索し、悟りを得ました。一緒に集まって活発な討論を繰り広げ、本を出し、文化芸術を花開かせました。また、時には、義兵となって檄文を書き、王に差し出す「連盟上疏」のため、ためらうことなく筆を手に取りました。
このように、韓国の書院にはコミュニケーション、融和、分かち合い、思いやり、自然、生命の尊厳に基づき、歴史、教育、祭享、儀礼、建築、記録、景観、人物など有形・無形のさまざまな文化遺産が息づいています。
世界遺産登録までの経緯
2011.12. |
世界遺産暫定リストに登録 *書院、韓国の儒教教育機関 |
2015.01. |
登録申請書の1次提出 |
2016.04. |
登録申請を撤回 |
2016.10.~2017.03. |
イコモスによる諮問 |
2018.01. |
登録申請書の2次提出 * 書院、韓国の性理学教育機関 |
2019.07. |
世界遺産に登録 |